ニセコビザ申請サポートセンター代表、申請取次行政書士の明山崇です。

北海道で唯一の、観光業界とビザ申請に特化した行政書士として、主に、北海道の宿泊業や観光業で働く、外国籍従業員の方の在留許可申請、いわゆる就労ビザの、新規取得や更新手続きのお手伝いをしています。

今回は、在留資格の申請手続きが不許可になってしまった場合は、どのようにしたらよいかに関して解説をしていきます。

はじめに

日本に90日以上の中長期間にわたって在留する外国人の方は、29種類ある在留資格のうち、どれか1種類だけ持っています。「永住」の以外の在留資格には、有効期間が定められているため、有効期限が来る前に更新の手続きをする必要があります。また、「留学」や「技能」、「技術・人文知識・国際業務」など、活動系の在留資格では、日本在留中の仕事や活動内容が変わった場合は、在留資格の変更手続きをする必要があります。「日本人の配偶者等」や「家族滞在」など身分系の在留資格でも、離婚や死別などによって身分が変わった場合には、在留資格の変更手続きをする必要があります。これら在留資格の変更手続きや更新手続きは、許可になる場合もあれば、残念ながら不許可になる場合もあります。

ビザ(在留資格)の申請が不許可になったら・・・。

在留資格の更新や変更の申請を行った後、出入国在留管理庁では、提出された書類をもとに審査が行われます。窓口で書類を受理されるのは、必要書類が揃っているからであり、受理をしてもらえたからと言って、必ず許可になるとは限りません。提出書類をもとに審査や調査が行われた結果、1か月から3か月くらい後に、変更や更新が適切だと判断された場合には許可、そうでない場合には不許可の判断がされ、申請者に郵送で通知されます。この通知には、「不許可」という結果は記載されてはいませんが、通常、「不許可」の場合には、「結果を通知するので、入管まで来てください」といった旨が書かれている文書が届きますので、その内容の文書であれば、結果を聞きにいかずとも不許可だということがわかってしまいます。この文書が届いたらどうしたらよいのでしょうか?

出入国在留管理局の窓口に理由を聞きに行く

届いた文書に記載された日時までに、指定された窓口に出頭します。その場合は、申請人本人だけでなく、申請の取次ぎをした行政書士も同席できることが多いです。申請の際に行政書士に依頼をせず、ご自身で申請をした場合には、行政書士や第三者の同席ができるかは、審査官次第になります。同席を拒否され申請人一人で審査官と面談をして理由を聞かなければならないこともあります。しっかりメモを取り、言われたことをすべて記録できるような準備をしていきましょう。

審査官と面談を行う際に気を付けること

審査官との面談は、出入国在留管理局の個室に案内され、個別に面談をして結果とその理由が伝えられることが多いです。審査官と面談をして理由を確認できるのは、1回限りです。再申請を行うためのヒントを教えてもらえる重要な機会になりますので、しっかり心構えと準備をして面談に臨んで下さい。面談の際に気を付けなければいけないことは以下の通りです。

まずは、冷静に落ち着いて話を聞く

たぶん不許可だろうとわかっていたとしても、審査官から不許可という結果を告げられると、多少なりとも動揺し、感情的になる方がいます。いったん不許可の事実を受け止めて、落ち着いて今後のことが考えられるよう、理由を確認するよう、頭の中を整理して感情を切り替えるよう努めましょう。

キレない、審査官を攻撃しない

感情的になり、審査官に対してキレてしまったり、暴言を吐いたり攻撃的な言動をするのは絶対避けるべきです。今回の不許可の決定は、目の前にいる審査官が決めたものではありません。審査官は仕事として結果を伝える立場でしかありません。審査官も人間ですので、感情を害するような言動をすることで、申請人に対する心証が悪くなり、すべての理由を丁寧に教えてもらえない可能性もあります。

不許可になった理由をすべて聞く

出入国在留管理庁には、不許可の理由をすべて丁寧に説明しなければならないという義務はありません。基本的に聞かれれば答える、というスタンスであることは留意しておいてください。そのうえで、不許可の理由を全部伝えてもらえたかどうかを確認してください。例えば「ほかには?」とか、「まだ別の理由はありますか?」といた具合に、複数の理由があることを前提として、質問をしてみるとよいでしょう。また、説明がわかりづらければ、その旨を正直に伝えて、わかりやすく具体的に教えてもらうようにしましょう。

きちんとメモを取る

理由がたくさんある場合には、すべて覚えているのは不可能です。すべて聞き逃さぬよう、そして忘れないように、ひとつずつメモを取って確認をするようにしてください。覚えられなかったから、もう1回教えてください、ということはできません。チャンスは1回きりです。

申請者側から事情や背景を延々と説明しない

審査官から説明された不許可の理由が、明らかに事実と異なることや、申請書の内容がうまく伝えられなかったことによる誤解だと思うことがあります。そのような場合でも、「それは違う、本当は・・・」と反論をしたり、「実はこれは・・・だ」と事情や背景を延々と説明をするのはやめましょう。この面談は、あくまでも審査官から不許可の理由を聞くための時間であり、申請者側が反論や説明をする時間ではありません。審査官の話を十分に聞き、再申請の際に改善して許可を得るために必要な情報を収集する時間だと考えてください。

その場で不許可を許可に変えてもらおうと粘らない

今回の申請で出された「不許可」の結論は、この面談で覆ることは絶対にありません。申請の不備を直して、再申請をし際に、改めて審査をされ問題がなければ許可になります。どんなに理由や事情を説明したところで、今回の不許可の結果には一切影響しませんので、理由と再申請で有利になるような情報を聞くことに徹してください。

まとめ

在留資格の変更や更新が不許可になった場合、少なからず動揺したり、感情的になってしまうことは仕方がないことだと思われます。しかし、この不許可の決定は、再申請をしない限り許可に変わることはありません。その、再申請を有利に進め、許可が得られる確率を高めるための情報収集の機会が、審査官との面談になります。不満や文句の一つも言いたくなる気持ちはわからなくはありませんが、この面談を有効活用して、申請が許可になるための材料を集めに行くというスタンスで、十分に準備をして落ち着いて面談に臨んでください。

ニセコビザ申請サポートセンターは、言葉や文化、そして国境の壁を乗り越えて、日本社会の一員として生活しようとしている、外国人の方々を全力で応援し、サポートします。この記事に関するご質問、お問い合わせや、申請が不許可になってしまった場合の再申請もお手伝いします。在留資格の更新や変更に関しての条件面、手続き面に関するお問い合わせは、お電話か、ホームページの「無料相談フォーム」からお気軽にお問合せください。