ニセコビザ申請サポートセンター代表、申請取次行政書士の明山崇です。北海道で唯一の、ビザ申請と観光業に特化した行政書士として、主に、ニセコ・小樽・札幌市内を中心に北海道で生活する、外国籍の方々の在留許可申請、いわゆる就労ビザや配偶者ビザ等の、新規取得や更新手続きのお手伝いをしています。

今回は、家族滞在ビザの申請(新規取得)が不許可になりやすいケースに関して解説していきます。日本に住んでいる外国人の方が、本国に住んでいる家族を呼び寄せるためのビザを申請する際、気を付けたほうが良いことをまとめいていますので、ご興味のある方はぜひ最後までお読みください。

家族滞在ビザを取得する場合の審査のポイントと気を付けることは?

家族滞在ビザの新規申請をする際の必要書類から、審査のポイントだと思われる点と、気を付かなければならない点を解説していきます。

扶養者と申請者が、家族としての関係が公的に立証できるかどうか?

家族滞在ビザを取得する方の活動内容は、「就労ビザ等を持つ人に扶養され、家族としての活動を行うこと」です。そのために、扶養者との家族関係が公的に証明できる書類の提出が求められています。例えば、「結婚証明書」や「婚姻届受理証明書」、「出生証明書」といったものです。これらの書類が提出できないということは、公的に立証できる関係ではないとみなされ、不許可になってしまうことが多いです。

配偶者が家族滞在ビザを取得できるビザを持っているか?

家族滞在ビザは、扶養者となる人のビザの種類が定められています。つまり、家族滞在が取れるビザ/取れないビザが最初から決まっています。一般的に、「技術・人文知識・国際業務」や、「技能」ビザのような就労ビザを持っている人は、家族滞在ビザで家族を呼び寄せることは可能です。しかし、「特定技能1号」ビザを持つ人が、家族滞在ビザを使って本国から家族を呼び寄せることはできません。1号を取得してから何年かが経ち、「特定技能2号」に移行できた場合には、家族を呼び寄せることは可能になります。現在、特定技能2号に移行できた人はまだ多くありませんが、近い将来、2号を持つ人が増えてきた場合に、家族滞在ビザで母国から家族を呼び寄せる人も増えてくると想定されます。また、留学ビザに関しても注意が必要です。留学ビザを持つ人の中で、専門学校や短大・大学・大学院に在籍している人は、家族ビザを取得することが可能ですが、日本語学校在学中の方は、家族ビザを使っての家族の呼寄せはできないことになっています。申請時に扶養をする人の在留カードのコピーの提出を求められるのは、申請可能なビザを持って日本に滞在しているかを確認されるからです。

家族を扶養できるだけの、十分な収入があるかどうか?

家族滞在ビザは、就労ビザ等を取得している方に扶養されて生活することが原則になっています。この家族滞在ビザは、原則として就労は不可ですが、資格外活動許可を申請し許可が得られれば、週28時間以内の就労が認められます。通常、28時間程度のアルバイトでは、家族が生活を維持していくのに十分な収入を得るのは難しいといえます。よって、扶養者の収入が月額20万円以下など、極端に少ない場合には生計が成り立たない可能性があります。このような場合には、家族滞在ビザの方が、フルタイムで働き収入を得るような、いわゆる不法就労をしないと生活が維持できない可能性があります。つまり、ビザを与えても正しい活動をせず、不法就労や不法滞在者を作ることになってしまうかもしれない、ということが懸念されています。それ故に、「住民税の課税(非課税)証明書」や「納税証明書」の提出によって、家族を扶養することができる所得があることを証明する必要があります。

申請人が、家族滞在ビザで定められた活動内容の範囲内で、日本で生活するかどうか?

家族滞在のビザは、就労ビザ等を取得して日本に滞在している外国人の家族として滞在するために与えられるものです。

よって、時間や職種に関係なく自由に仕事をすることや、配偶者とは別の場所で生活をすることはできません。例えば、「日本人の配偶者ビザ」とは異なり、就労時間や職務内容の制限が設けられています。

よって、配偶者の仕事や収入状況から、明らかに家族滞在ビザの範囲を超えて、月28時間以上の仕事をしそうだ、とか、時給の高い夜のお仕事をしなければ生活が維持できなそうだな、などと疑われるような場合は、申請が不許可になる可能性が高くなります。それ故に、添付書類などで、申請人がフルタイムで仕事をしなくても生活が維持できるような収入が扶養者にあることを、納税/課税証明書などで証明することが求められています。

まとめ

家族滞在ビザの申請が不許可になりそうなケースに関して、申請時の必要書類からまとめてみました。審査のポイントとして想定されるのは、

①扶養者との家族関係が証明できること 

②扶養者に扶養されて一緒に生活をすること 

③家族滞在ビザの範囲を超えた活動をしないこと

の3つがポイントになっているといえます。つまり、この3つのポイントを、出入国在留管理庁のホームページに記載された書類を基本に、それ以外にも、事実を証明するために補強する書類を合わせて提出することが、家族滞在ビザの許可を得るために重要なことだといえます。特に、家族滞在ビザの許可を取得して来日しても、生活が立ち行かなくなり、資格外の不法就労や犯罪行為をしなければ生活できなくなってしまうということは、国としても一番避けたいことだと思われます。よって、申請人との間の法的な関係性だけでなく、職業や収入などの生活の基盤に関しても、明確に証明できるような公的資料を基に説明していくことも必要となります。

ニセコビザ申請サポートセンターは、言葉や文化、そして国境の壁を乗り越えて、日本社会の一員として働こうとしている、外国人の方々を全力で応援し、サポートします。この記事に関するご質問、お問い合わせや、家族滞在ビザの取得や更新手続きに関しての条件面、手続き面に関するお問い合わせは、お電話か、ホームページの「無料相談フォーム」からお気軽にお問合せください。