ニセコビザ申請サポートセンター代表、申請取次行政書士の明山崇です。

北海道で唯一の、ビザ申請と観光業に特化した行政書士として、主に、ニセコ・小樽・札幌市内を中心に北海道で生活する、外国籍の方々の在留許可申請、いわゆる就労ビザや配偶者ビザ等の、新規取得や更新手続きのお手伝いをしています。今回は、スキーインストラクターとして働くためのビザは、どのような人が取得できるのか?に関して解説をしていきます。

スキーインストラクターとして働くためのビザは?

外国人の方が、日本でスキーインストラクターとして働くためには、「特定活動 告示50号」 スキーインストラクターのビザが必要となります。以前は、「技能」ビザの8号「スポーツの指導」のビザを取得していましたが、2020年9月にスキーインストラクターの特定活動ビザが新設され、申請人に関する要件が大幅に緩和されたことから、いまでは特定活動50号で申請をする方が多いようです。

どのような人がスキーインストラクターのビザを取得できるのでしょうか?

現在日本にある29種類のビザ(在留資格)では、基準適合性、つまり、ビザを申請する人が適合していなければならない基準、が定められています。特定活動50号ビザに関しても、その基準が定められていますので、その項目をこれから確認していきます。

公益社団法人日本プロスキー教師協会(SIA)が認定する次に掲げるいずれかの資格を有する人

アルペンスキー・ステージI  / アルペンスキー・ステージII / 

アルペンスキー・ステージIII / アルペンスキー・ステージIV

公益社団法人日本プロスキー教師協会(SIA)が上記(1)に掲げるものと同等以上と認めるスキーの指導に関する資格を有することを証明する人

これに関しては、「アルゼンチン」・「オーストラリア」・「カナダ」・「ドイツ」・「イギリス」・「イタリア」・「ニュージーランド」・「韓国」・「日本」といった9か国それぞれにある、スキーやスノースポーツ協会の認定指導員や講師の資格が該当します。例えば、日本に関しては、「公益財団法人全日本スキー 連盟」の資格である、「公認スキー指導員」もしくは「公認スキー準指導員」の資格が該当します。各国の指導員の資格付与のレベルには差はありますが、大体の求められている指導レベルは把握できるのではないかと思います。

特定活動50号ビザの申請人に求められる要件のポイントは、指定されたスキー指導員の資格を有すること、のみとなります。他の就労系のビザとは異なり、学歴や教育機関での専攻内容、同一職種での実務経験や、受賞・入賞歴などは一切問われていません。そのために、このビザを申請する際の、申請人に関する提出書類としては、「資格の証明書」が一番重要なものとなります。

入国後の職務内容がスキーの指導であること

この特定活動ビザは、その名の通り「スキーインストラクター」と職務内容が限定されています。それ故に、入国後の職務内容は、当然にスキーの指導でない場合は申請が不許可になる可能性が高いです。この点に関しては、スキーインストラクタービザの申請に際して、雇用する外国人の方の職務内容の信ぴょう性をどのように証明していくか?にかかってきます。もちろん、必要書類の中のひとつに、「申請人の活動内容を明らかにする資料」があります。具値的には、「雇用契約書の写し」及び「労働条件を明示する文書の写し」が指定されています。採用予定の外国人の方と取り交わす、雇用契約書などの書類には、職務内容は「スキーの指導」と明記されていなければなりません。そして、それだけではなく、本当にスキーの指導をすることを証明するために、例えば、年間のスキースクールの受講者数や指導時間や指導場所、レッスンの料金など、雇用する会社が本当にスキースクールを運営していることを証明する情報も必要となります。特に、外国人スキーインストラクターは、主に英語を使ってレッスンを行うことが多いことから、英語でのレッスンが求められる外国人の受講生・生徒がどの程度いるかを記載することは、雇用の必要性を立証する重要な情報になります。北海道内のニセコやルスツ、富良野など、近年インバウンド観光客の多いスキー場などでは、日本語のみで指導をするインストラクターよりも、英語で指導のできるインストラクターの方が人気・需要が多いという実情もあり、このような地域で事業を展開するスキースクールや、インストラクター派遣会社に関しては、職務内容の信ぴょう性や外国人インストラクター雇用の必要性は立証しやすいと思われます。なお、これらは出入国在留管理庁のホームページに記載されている、必要書類一覧には記載されていませんが、職務内容の信ぴょう性や外国人雇用の必要性を具体的に立証するためにも、あらかじめ提出をした方が、審査はスムーズに進むと思われます。

まとめ

今回は、どのような人がスキーインストラクターのビザが取得できるか?に関して解説をしてきました。申請する人に求められる、唯一の重要なポイントは、指定された資格を取得しているか?です。この資格に関しては、各国のスキー連盟など準公的な団体が発行していることから、その信ぴょう性自体はある一定程度担保されており、また、万が一、申請者本人が資格証明書などを紛失してしまった場合でも、再発行は比較的容易にできるのではないかと思われます。従来の「技能8号」での申請と比較すると、指導の実務経験年数が問われなくなったことにより、申請要件は大幅に緩和され、取得の難易度は下がったともいえます。なお、同様のウインタースポーツである、スノーボードのインストラクターに関しては、この特定活動50号は適用にならず、従来通りの「技能8号」を取得することとなります。

行政書士あけやま事務所は、言葉や文化、そして国境の壁を乗り越えて、日本社会の一員として働こうとしている、外国人の方々を全力で応援し、サポートします。この記事に関するご質問、お問い合わせや、就労ビザ取得に関しての条件面、手続き面に関するお問い合わせは、お電話か、ホームページの「無料相談フォーム」からお気軽にお問合せください。