2025年6月、北海道の倶知安町で起きた「無許可での森林伐採」問題が報道されました。
この問題、ただの地方開発トラブルではありません。
外国人が日本で事業を行う上で、また外国人を雇用する企業にとっても、深く関わってくるテーマです。
今回は、行政書士としての視点から、このニュースの概要とその背景、そして実務上の重要なポイントを分かりやすく解説していきます。
■報道された内容の概要
倶知安町巽地区で、建設工事に関連して約3.9ヘクタールの森林が、北海道の許可を得ないまま伐採されていたことが判明。
さらに、都市計画法に基づく開発許可申請も行われておらず、事業者は道から工事の停止勧告を受けています。
これを受けて、北海道の鈴木直道知事は2025年7月4日、「指導などに従わない事業者を公表できるよう条例の見直しを検討する」と発言。
今後は、条例に基づき実名を含めた情報が行政から公にされる可能性が出てきたのです。
■なぜ「公表」に踏み切ろうとしているのか?
行政はこれまで、違反があってもまずは是正指導や勧告といった“指導的措置”を行い、それでも従わない場合に限り、罰則や告発などに踏み込むという流れを基本としてきました。
ところが今回のケースでは、勧告を出してもなお法令違反が続いたことから、道は“公表”という措置を強化策として検討しています。
この「実名公表」は、企業にとって非常に大きなダメージになります。
取引先や金融機関、地域住民などからの信頼を損なうだけでなく、今後の事業展開にも大きな支障をきたす可能性があるからです。
■外国人事業者・外国人雇用企業が気をつけるべきポイント
在日外国人の方や、外国人を雇用する企業の中には、日本の許認可制度や行政手続きにまだ十分に慣れていないケースも多くあります。
ですが、日本国内で事業を行う以上、「知らなかった」では済まされません。
特に注意すべき手続きには以下のようなものがあります:
・建設業や宅建業、飲食業など業種別の許認可
・開発行為に関わる都市計画法・建築基準法上の申請
・在留資格に対応した雇用内容と労務管理
・外国人の経営管理ビザ取得に必要な事業計画・設備要件の整備
いずれも、手続きが不備だったり、期限を過ぎたりするだけで、
行政処分の対象となる可能性があります。
そして、今後は「行政処分を受けたことが公にされる」時代へと進みつつあるのです。
■行政書士としてできるサポートとは?
私たち行政書士は、外国人の在留資格から事業に関わる各種許認可まで、
煩雑な手続きを法に則ってサポートする専門家です。
たとえば、
・外国人が日本で会社を設立するための「経営管理ビザ」取得サポート
・外国人を雇用する際の「就労ビザ」適正チェックと手続き
・土地開発や建築に必要な各種許可申請(都市計画法、建築基準法、農地法など)
・事業内容や拠点変更に伴う行政への変更届出
こうした法的に重要な手続きを怠ると、行政処分はもちろん、ビザの取消や将来的な再入国制限といったリスクもあります。
行政書士に依頼することで、安心して事業運営・雇用管理ができる体制を整えることが可能です。
■まとめ:行政手続きの「透明性」と「信頼性」が企業の評価を決める
今回の北海道の事例は、「行政に従わないと、社名を公表されるかもしれない」という強いメッセージを社会に発しました。
それは同時に、「法令を守ること」が企業評価の一環になる時代の到来を意味します。
外国人であること、日本語が苦手なこと、制度が複雑なこと。
そうした事情があっても、企業活動は待ってくれません。
だからこそ、行政手続きの専門家である行政書士の存在が活きてきます。
もし今、手続きで不安を感じていることがあれば、どうかお気軽にご相談ください。
「知らなかった」では済まされない世の中で、確実な法令対応を通じて、あなたの信頼と未来を守るお手伝いをいたします。