ニセコビザ申請サポートセンター代表、申請取次行政書士の明山崇です。北海道で唯一の、ビザ申請と観光業に特化した行政書士として、主に、ニセコ・小樽・札幌市内を中心に北海道で生活する、外国籍の方々の在留許可申請、いわゆる就労ビザや配偶者ビザ等の、新規取得や更新手続きのお手伝いをしています。

今回は、「特定活動46号」の更新が許可されない場合に関して解説をしていきます。

はじめに 「特定活動46号」の更新について

「特定活動46号」のビザは、有効期限が来る前に更新の手続きを行うことが出来、更に、更新回数に制限はありません。つまり、このビザの要件を満たしてさえいれば、何度でも更新をすることが出来、日本に居住し続けることが可能です。このビザを始めて取得した方は、最初の有効期間は「1年間」が与えられるケースが多いです。そして、更新が認められた場合には、その有効期間は「1年間」、もしくは「3年間」と期間が長くなる場合もあります。

更新の手続きは、有効期間終了の3か月前から、出入国在留管理庁の窓口で行うことが出来ます。他のビザ同様、所定の書類を揃えて窓口で提出し、書類審査の結果、更新の可否が通知されます。必要書類を揃えて提出しても、更新が不許可になってしまうことがあります。想定される主なケースをひとつずつ解説していきます。

更新できない場合

転職をして勤務先の会社が変わってしまった場合

  このビザの更新が許可されない一番のケースは、転職をして勤務先の会社が変わってしまったことが挙げられます。「特定活動46号」では、パスポートに貼付された「指定書」で勤務する会社名まで指定されていますので、この在留カード/指定書では、別の会社で働くことはできません。就労系の在留資格では、「技術・人文知識・国際業務」等、勤務先の会社名まで指定はされていないものの方が多いため、混同しない様に注意が必要です。更新の際に提出する申請書に書かれた会社名と、パスポートに貼付された会社名が異なる場合は、間違いなく更新は不許可になります。

もし、転職を希望される場合には、新しい会社に内定した段階で、「在留資格変更許可申請」を必ず行い、変更の許可を得てください。これは、「特定活動46号」から「特定活動46号」と、ビザ自体は変わらなくても、勤務先が変わる場合は、必要な手続きとされています。外国人の方の転職者を採用する場合は、企業側の担当者も、採用する外国人の在留カードだけでなく、パスポートの原本とそれに貼付されている「指定書」を確認し、自社で採用可能なビザを持っているかを忘れずに確認しましょう。 参考までに、勤務先が変更になった場合に、「在留資格更新許可申請」が必要なのは、「高度専門職」と「特定技能」のビザで、どちらもパスポートに貼付された「指定書」に、会社名が記載されています。

従事してきた職務内容が、このビザの規定外だった場合

「特定活動46号」のビザでは、

  ・ホワイトカラーの専門性、外国人の特性や、高い技術、学術的知識が必要な業務

  ・日本語による高度な意思疎通が必要とされる業務

  ・これらと併せて、一部、現場労働・単純作業を行う業務

   を行うことが出来るとされています。一方、この在留資格では従事できない職務内容としては

  ・日本語の意思疎通を必要としない業務

  ・ブルーカラーの単純労働・現場作業のみを担当すること

  ・風俗営業に関連する産業・職務

   が挙げられます。

例えば、ホテルで採用された外国人Aさんが、フロント業務を担当し、外国人だけでなく日本人に対しても接客、案内業務を行う。そして、昼間のフロント業務の発生しない時間帯に、客室清掃業務を行う、ということであれば、問題なく更新は可能だといえます。一方、ホテルで採用去れば外国人Bさんが、1日8時間、毎日客室清掃のみを行う、という職務内容は、日本語による高度な意思疎通を含まず、現場労働・単純作業のみの職務内容となるため、このビザの更新が許可されるのは難しいといえます。もちろん、「特定活動46号」のビザを取得しているということは、新規に申請した際の「雇用理由書」には、このビザの内容に適合した職務内容が記載されていたわけで、採用後も雇用理由書に記載された通りの職務内容に従事させることは、更新申請が虚偽になるために企業側が守るべき重要なポイントとなります。

有効期限を過ぎてしまった場合

「特定活動46号」にも在留期限が決まっており、他のビザと同様、有効期限を一日でも過ぎてしまった場合、オーバーステイ=不法滞在といった違法状態になってしまいます。こうなってしまった場合には、ビザの更新が出来る可能性は殆どないと考えられます。なお、有効期間内に申請手続きを完了されることが求められていますが、結果通知が来ることまでは求められていません。更新の手続きは有効期限の3か月前から行うことが出来ますので、早めに出入国在留管理庁の窓口に書類を提出し、有効期間内に受理をしてもらえるようにしましょう。

万が一、有効期間内に更新手続きが完了せずにオーバーステイになってしまった場合には、警察や入管職員に摘発される前に、自ら出入国在留管理庁の窓口に出頭し、出国命令をもらって出国をすることをお勧めします。その場合は、出国日から1年間、入国禁止の期間が設けられ、この期間が終わるまでは再入国が出来なくなってしまいます。しかし、摘発されて退去強制処分になってしまった場合には、再入国期間は5年間と一気に長くなってしまいます。こうならないためにも、在留期間に関しては常に確認をし、オーバーステイにならないよう心がけましょう。

まとめ

「特定活動46号」の更新が不許可になる4つのケースを解説してきました。特に、転職の際の手続きに関しては、他の就労系在留資格と異なり、「在留資格変更許可申請」が必要となるため、これを忘れずに行うことがポイントとなります。また、どのビザにも共通して言えるのですが、更新期限間際になって慌てない様、書類の準備は早めに着手するよう心がけましょう。

行政書士あけやま事務所は、言葉や文化、そして国境の壁を乗り越えて、日本社会の一員として生きていこうとする、外国人の方々を全力で応援し、サポートします。この記事に関するご質問、お問い合わせや、「特定活動46号」への在留資格変更に関しての条件面、手続き面に関するお問い合わせは、お電話か、ホームページの「無料相談フォーム」からお気軽にお問合せください。