東京都江戸川区。
ここは、外国人住民の割合が7.4%を超え、特にインド人の居住者数では全国最多を誇る地域です。

「外国人と地域住民の共生」は、全国的に見ても難しいテーマであり、トラブルや摩擦が絶えない地域も少なくありません。
そんな中、江戸川区がなぜこれほどまでに「うまくいっている」のか?
そして、なぜ同じ日本で、他地域ではうまくいかないのか?

その鍵は、実は「在留制度の違い」と「受け入れ側の意識」にあります。
この記事では、江戸川区の成功例を踏まえつつ、現在大きな課題とされる「技能実習制度」の本質的な問題について、行政書士の視点から掘り下げていきます。

https://news.yahoo.co.jp/articles/3cd2990bbfc972c676e8146e5fe6fc5d1da0a327


インド人IT人材が選んだまち、江戸川区

江戸川区の外国人住民の中でも、特に注目されているのが「インド人コミュニティ」です。
現在約8000人がこの地に居住しており、これは全国の自治体の中でも最多。
そのルーツの一つが、2000年問題にさかのぼります。

当時、世界中でコンピュータの誤作動が懸念され、優秀なIT人材の需要が一気に高まりました。
この時、日本企業が目をつけたのが「IT大国・インド」だったのです。

結果、多くのインド人技術者が日本に招かれ、彼らの多くが江戸川区・西葛西エリアを拠点としました。
以来、インドレストラン、インド系スーパー、教育機関まで充実し、まるで「リトルインディア」のような街が形成されました。


高スキル・高年収・長期滞在──成功の条件が揃った共生モデル

江戸川区のインド人住民が地域に溶け込めた要因は、大きく3つあります。

  1. 高度な専門性(ITスキル)
  2. 高い所得水準
  3. 長期滞在・永住への志向

いずれも、短期滞在・低スキル前提で制度設計された「技能実習制度」とは対照的な特徴です。
企業と長期的な雇用関係を築きながら、家族と共に生活し、地域と関わる時間があることで、自然と日本語や文化にも馴染んでいきます。

つまり、「学ぼう」「関わろう」という意欲が持てる環境が制度によって整えられている。
これが、外国人と地域社会が共に歩む基盤となっているのです。


技能実習制度という“制度リスク”と、企業の損失

一方で、全国の中小企業が今最も多く頼っているのが「技能実習制度」や「特定技能制度」です。

技能実習制度は、本来「開発途上国への技術移転」を目的として作られた制度。
しかし実際には、人手不足を補うための“安価な労働力確保手段”として使われているのが実態です。

この制度の最大の問題は、期間が原則3〜5年と短いこと
つまり、いくら現場で教育しても、数年後には帰国してしまうことが前提の制度なのです。

この前提がある限り、外国人労働者にとっては「日本語を習得する意味が薄い」「文化を理解する必要がない」となり、
受け入れ企業としても「戦力化しにくい」「コミュニケーションコストが高い」「トラブル対応が難しい」というリスクを抱え続けることになります。


「育てても辞める」は、本人の問題ではなく制度設計の問題

よく企業の担当者から「実習生はすぐ辞める」「指示が伝わらない」「やる気がない」といった声を聞きます。

しかし、それは彼らの“やる気”や“性質”ではなく、「制度がその環境を許していない」から起きることです。

日本に根付き、共に成長してくれる外国人材を望むなら、
制度選びの段階から「短期前提」ではなく「長期定着可能」な在留資格を選択することが何よりも重要です。


企業の未来を支えるのは“共に生きる”外国人材

現在、日本国内では人材確保が深刻な課題となっています。
特に、建設・介護・宿泊業・製造業など、現場系の業種では外国人材の存在が不可欠です。

ところが、優秀な人材ほど、日本を「選ばなくなっている」という現実も見逃せません。

・待遇が悪い
・昇進のチャンスが少ない
・制度が不安定で将来が見えない

このようなイメージが海外で広まりつつあり、代わりにアメリカやドバイ、シンガポールといった国に人材が流れています。

このままでは、日本に来るのは「選ばれなかった人材」ばかりになってしまう――これは、企業にとっても国家にとっても大きな損失です。


ニセコビザ申請サポートセンターができるサポートと、制度選びの重要性

私たちニセコビザ申請サポートセンターは、外国人雇用の制度設計から実務支援まで、一貫してサポートする専門家です。

具体的には、

  • 特定技能・高度専門職・経営管理ビザなどの取得・変更支援
  • 在留資格に応じた雇用契約・労働条件の整備アドバイス
  • 外国人とのトラブル回避のための体制づくり
  • 地域共生・助成金制度の活用提案

など、多岐にわたる支援が可能です。

外国人材は、ただの「労働力」ではなく「企業の将来を担うパートナー」です。
そのポテンシャルを引き出すには、制度の選び方から変える必要があります。


まとめ:江戸川区に学ぶ「外国人共生」の本質とは?

江戸川区が示しているのは、「外国人との共生は十分に可能」であるという事実です。
ただしそれは、“制度”と“地域の受け入れ姿勢”が両輪となって機能している場合に限ります。

企業としても、「すぐ帰る労働者」ではなく、「共に未来を築く人材」を選ぶ視点が求められています。

技能実習制度が限界を迎えている今こそ、本気で制度の見直しと、外国人雇用戦略の再構築が必要です。

ぜひ一度、ニセコビザ申請サポートセンターにご相談ください。
御社に最適な外国人材受け入れの道を、一緒に設計いたします。