はじめに:もはや「来てくれる時代」ではない

かつて日本は、外国人労働者にとって「憧れの出稼ぎ先」でした。
しかし、今やその神話は崩れつつあります。

技能実習生の減少、求職者の質の変化、送り出し国の経済成長――
さまざまな要因が絡み合い、いま日本は「外国人に選ばれない国」になりつつあります。

これは単なる人手不足の問題にとどまりません。
今後、企業が安定して外国人材を確保していくためには、これまでの感覚を一新する必要があります。

本記事では、最新の統計や現場の声をもとに、外国人雇用の現状とこれから企業がとるべき具体的対策を、行政書士の視点から解説します。

https://news.yahoo.co.jp/articles/27115696b42a86550fed2f038b92ca58c929162e


技能実習生の中国離れと、進む「アジアシフト」

2023年の技能実習1号の中国人受け入れ数は、わずか11,347人。
2015年の38,327人から実に3分の1以下にまで激減しました。

一方で、ベトナム人は同期間に2倍以上増加し、77,634人に。
インドネシア、フィリピン、ミャンマーなどからの受け入れも増えています。

この変化は、「中国の人達が日本を避けるようになった」ことを如実に表しています。


日本の“魅力”が失われた3つの理由

① 給与水準の相対的な低下

日本の最低賃金は上がっているとはいえ、
シンガポール、韓国、台湾などの近隣国と比べると、依然として低水準です。

しかも、円安が進行する今、母国に仕送りしても価値は大きく目減りします。

② 長時間労働と生活環境のギャップ

「日本は真面目すぎて疲れる」
「休みが取れない」「差別を感じる」――

SNSや口コミで、こうしたリアルな声が海外に届く時代です。

給与だけでなく、働きやすさやメンタル面のサポートも重視されるようになっています。

③ 送り出し国の経済成長

中国やカンボジアなど多くのアジア諸国では、国内でも十分な賃金が得られるようになってきました。

「無理して日本に行かなくてもいい」
そんな時代が、すでに始まっているのです。


実習生の“質”の変化と採用リスク

現場の声としてよく聞かれるのが、

「以前よりも、実習生のスキルが低い」
「すぐに辞めてしまう」「指示を理解しない」

といった“質の低下”です。

これは、優秀な人材が英語圏や高賃金国へ流れてしまっている結果であり、残念ながら今後さらに加速する可能性があります。


それでも外国人材を必要とする日本企業

日本国内では、若年層の人口減少が続いています。
特に製造業や介護・建設業など、外国人材なくして成り立たない産業も多くあります。

実際に、当事務所が支援している企業の多くも「どの国でもいいから人材が欲しい」と切実な声を上げています。

しかし、安易な採用はトラブルのもと。
特に以下のような企業は注意が必要です:

  • 受け入れ体制が不十分
  • 日本語教育の機会がない
  • 雇用契約や労働条件が不透明

適切なサポートがなければ、実習生が失踪したり、労働トラブルに発展することもあります。


今後注目すべき「新しい国籍」と文化的配慮

現在、送り出し国のトレンドは「アジアの奥地」から「南アジア〜アフリカ圏」へと移行しつつあります。

スリランカ、ネパール、インド、バングラデシュ、ナイジェリア、ガーナなど、これまで日本との関係が薄かった国々です。

これらの国籍の方々を採用する際には、以下の点に留意する必要があります:

  • 宗教や文化(例:ヒンドゥー教徒に牛肉を提供しない)
  • 生活習慣の違い(例:食事、休日の過ごし方)
  • 言語の壁(日本語レベルが低いケースも多い)

採用前に、事前説明会や適性テストを行う企業も増えています。


成功する企業の共通点とは?

当事務所が支援してきた中で、外国人雇用に成功している企業には、次のような特徴があります:

・「戦力」としてではなく「仲間」として迎える姿勢

業務命令だけでなく、生活面や感情面のサポートも含め、
外国人材を「会社の一員」として迎えている企業ほど、定着率が高い傾向にあります。

・行政書士との密な連携

在留資格の更新、変更、雇用契約の確認、適切な書類の準備など、法令遵守の面でもしっかりと体制を整えています。

結果として、入管からの信頼も厚く、スムーズな手続きが可能になります。

・継続的な日本語教育・コミュニケーション支援

ただ来てもらうだけではなく、定着・活躍まで見据えた育成ができている企業は、
外国人材からも「この会社で長く働きたい」と思われる存在となります。


行政書士ができる、企業のパートナーとしての役割

私たちニセコビザ申請サポートセンターは、単なる「申請代行屋」ではありません。

特に外国人雇用の分野では、

  • 在留資格取得・変更・更新の支援
  • 雇用契約の確認と法令適合のアドバイス
  • 外国人材の受け入れ体制に関するコンサルティング
  • 入管からの指摘対応
  • 失踪防止のためのリスク管理アドバイス

といった“実務の伴走者”として、企業にとって欠かせない存在です。

特に、これから多国籍化が進む中では、「宗教・文化・言語」の壁をどう乗り越えるかが、企業の大きな課題になります。


まとめ:選ばれる企業になるために、今できること

日本が「選ばれない国」になりつつある今、
外国人材の確保は「待ちの姿勢」ではもはや通用しません。

これからは、企業自らが「選ばれる側」として準備をし、
信頼される雇用環境を整えることが不可欠です。

私たちは、単なる書類作成だけではなく、企業の外国人雇用戦略そのものを支えるパートナーとして、
制度設計・入管対応・トラブル防止など、現場に根ざした支援を行っております。

「どうしたらよいかわからない」という段階でも構いません。
まずはお気軽に当事務所までご相談ください。今後の企業の未来を、一緒に考えていきましょう。