2024年7月、政府は「外国人との秩序ある共生社会の実現」に向けて、
内閣官房に外国人対応の司令塔組織を新設する方針を明らかにしました。

石破首相は7月8日の閣僚懇談会で正式に発表する見通しで、
この新組織を通じて、省庁横断で外国人に関する制度・規制の見直しが進められることになります。

在留外国人や訪日観光客の増加を背景に、
外国人を雇用する企業や自治体の対応体制にも大きな影響が及ぶことが想定されます。

本記事では、制度改正の概要と背景、そして企業が今から準備すべきことについて、
行政書士の視点から詳しく解説します。


1. 外国人対応の「司令塔」組織とは?

新たに設置される司令塔的事務局は、内閣官房の下に置かれ、
以下のような分野を横断的に見直していく予定です。

  • 出入国・在留資格管理(出入国在留管理庁)
  • 社会保障制度(厚生労働省)
  • 納税・税務管理(財務省)

これらを一元的に統括することで、外国人との共生に関する
制度の隙間や不整合を解消しようというのが狙いです。


2. 制度見直しの背景には何があるのか?

外国人の数が増加する中で、以下のような社会課題が目立つようになっています:

  • 外国人が関与する事件や事故の増加
  • 騒音トラブル、悪質な運転など地域住民との摩擦
  • 医療保険制度の不適切利用
  • 納税義務の履行不備

これらは一部の例に過ぎませんが、特に地方自治体や住民の不安の声が高まり、
外国人との「共生」をどう実現していくかが、政策上の大きな課題となっています。

さらに、選挙戦でも各政党が外国人政策を公約として取り上げるなど、
外国人政策は政治的にも注目度が高まっている分野です。


3. 企業が受ける影響とは?

外国人を雇用する企業は、以下のような点で影響を受ける可能性があります。

✅ 在留資格審査の厳格化

「特定技能」や「技術・人文知識・国際業務(技人国)」など、
企業が多く活用しているビザの審査基準が見直される可能性があります。
過去の不備や不適切な雇用がチェック対象となるリスクも。

✅ 企業の受入体制への責任強化

外国人労働者の生活支援、法令遵守教育、社会保険・税の整備など、
「受け入れる側」の体制が整っているかが、より厳しく問われてくるでしょう。

✅ 手続きや報告義務の拡大

外国人の雇用状況や労働実態を定期的に報告する制度などが整備される可能性があります。
企業の負担が増えることも見込まれます。


4. 今からできる3つの備え

制度変更は突然やってきます。しかし、今から備えることでリスクを大きく減らすことが可能です。

1)社内体制の棚卸し

外国人社員の在留資格や就労条件、雇用契約書、労働条件通知書など、
「法的整合性」が取れているかを今一度確認しましょう。

2)社内ルールと教育の見直し

外国人労働者にもわかりやすい社内ルールや就業規則の整備、
日常生活やマナーに関する研修・サポート制度の導入も効果的です。

3)行政書士など専門家との連携

在留資格関連の手続きや法改正の情報収集は、専門家と連携することで
スムーズかつ正確に対応できます。企業単独での判断はリスクを伴います。


5. 行政書士としての支援内容

当事務所では、外国人雇用を行う企業様に対して以下のようなサポートを行っています:

  • 在留資格取得・更新の手続き支援
  • 雇用契約や勤務実態の法令適合性チェック
  • 外国人社員向けマナー・制度説明サポート
  • 入管法・社会保険・税制の最新動向の情報提供

企業が安心して外国人を受け入れ、働きやすい環境を整えるためのパートナーとして、
実務面から制度改正への備えをサポートしています。


まとめ|「共生」の実現は、ルールの理解と備えから

政府の「外国人対応司令塔」組織の設置は、今後の制度見直しの前触れです。

これは排除を目的としたものではなく、
公平で秩序ある共生社会を築くための改革です。

企業にとっても、今こそが体制整備や方針見直しの絶好のタイミング。
「何か起きてから」ではなく、「今のうちに」備えることで、
リスクを避け、外国人社員との信頼関係を強化することができます。

ご不安な点やご相談があれば、どうぞお気軽にお問い合わせください。
制度改正に強い行政書士として、貴社の外国人雇用を全力でサポートいたします。


【メタディスクリプション】
政府が外国人対応の司令塔組織を新設。在留資格や雇用制度が大きく変わる前に、企業が取るべき備えと実務対応を行政書士が解説します。

【タグ】
外国人雇用,在留資格,制度改正,行政書士,企業のリスク管理