1. はじめに:深刻な人手不足と外国人留学生の可能性
多くの業界で慢性的な人手不足が叫ばれている日本。
とりわけ建設業や介護業界では、その影響が深刻です。
そんな中、注目を集めているのが「外国人留学生の採用」。
すでに日本の文化や生活に慣れている彼らは、即戦力としての可能性を秘めています。
しかし――その可能性を活かしきれていない現状があるのです。
2. 岡山で開催された交流会の概要
2025年10月、岡山市で開催された「外国人留学生と企業の交流会」。
このイベントは、外国人材の採用を考える企業と、就職を目指す留学生の出会いの場として企画されました。
現地では、建設業・介護業を中心に多くの企業が参加。
留学生たちと直接対話し、企業が求める人材像や業務内容について熱心に説明する様子が見られました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/4fb6e458ff91fd8d641d875379db4c2e5d1e7bbf
3. 企業側の声:「人は足りない、でも採用が難しい理由」
企業側の共通の悩みは、「仕事はあるのに人がいない」という点です。
特に今後を見据えた中長期的な人材確保には、海外人材の力が必要だと多くの担当者が感じています。
ただし、すぐに採用とはいかない事情もあるのです。
4. 留学生側の声:「就活のタイミングが合わない」
交流会で聞かれたのは、留学生からのこんな声。
「ベトナムでは卒業の1~2か月前に就活が始まる。でも日本では、3年生の夏からインターンが始まり、採用活動も早い」
この“就職活動の開始時期”の違いが、就職の大きな障壁となっています。
5. 日本の採用スケジュールが生む“ミスマッチ”とは?
日本の採用スケジュールは、非常に前倒しで進む傾向があります。
新卒一括採用、インターンシップを経ての内定、など独特の流れに乗れないと、採用のチャンスを逃してしまうのが現実です。
外国人留学生の多くは、日本の採用文化を知らないまま卒業を迎えてしまい、結果的に「希望しても就職できない」状況に陥ることも少なくありません。
6. 外国人留学生が感じる文化・制度の壁
採用スケジュール以外にも、文化や制度の違いに戸惑う留学生も多くいます。
- 宗教的な祝日への配慮
- 多言語対応の不足
- コミュニケーションの壁(敬語・報連相など)
これらを放置すると、入社後のミスマッチや早期離職にもつながります。
7. 企業が取り組むべき採用フローの見直し
企業側に求められるのは、以下のような取り組みです。
- 通年採用への切り替えや併用
- 外国人向け就活説明会・セミナーの実施
- 英語での求人情報掲載
- オンライン面接の導入と柔軟なスケジュール設定
中でも、「文化理解」と「制度の共有」は最も重要です。
8. 行政書士の立場から見た「採用・在留手続き」のポイント
行政書士として、多くの企業や外国人の在留・就労に関わる手続きを支援してきました。
その中で感じるのは、「採用したいけど、在留資格の手続きが不安」という企業の多さです。
具体的には:
- 技術・人文知識・国際業務ビザの取得条件の確認
- 内定から入社までのスケジュール調整
- 留学生→就労ビザへの変更手続きのタイミング
これらは、採用戦略と並行して進める必要があるため、専門家のサポートを受けることをおすすめします。
9. 今後企業がすべき準備とは?具体的なステップ
外国人材を受け入れるために、企業が今すぐできることは:
- 自社の採用スケジュールを見直す
- 留学生向け説明資料を整備する
- 採用後のフォロー体制(日本語教育や社内相談窓口)を構築する
- 専門家と連携し、ビザ関連手続きを円滑に進める
これらを通じて、採用から定着までの流れをスムーズにすることが可能になります。
10. まとめ:企業と留学生をつなぐには「制度理解」と「歩み寄り」が必要
日本で働くことを希望する優秀な外国人留学生は数多くいます。
しかし、日本特有の採用文化や制度への“理解の差”が、その可能性を阻んでいるのです。
企業としては、今後ますます外国人材が必要となる中、制度の見直しと社内体制の強化が急務です。
行政書士として、在留資格の手続きから採用後のフォロー体制まで、一貫してサポートする体制を整えています。
まずは、「自社で何ができるか」を見直してみませんか?