2026年9月29日、総務省は国勢調査の確定値を公表しました。その結果は、私たちが薄々感じていた現実を、数字として明確に突きつけるものでした。日本全体の人口は1億2297万人となり、前回調査から約317万人減少。減少率は2.5%で、調査開始以来最大です。そして北海道はその倍近い4.7%の減少率を記録し、減少数は全国で最も大きい約24万人に達しました。北海道の人口は498万人となり、70年ぶりに500万人を割り込んだのです。

この数字を見て、皆さんは何を感じるでしょうか。「また人口減少の話か」と思われるかもしれません。しかし、私はビザ申請・在留資格申請の専門家として、この現実が単なる統計以上の意味を持つと考えています。それは、日本という国の未来、私たちの生活、そして国家の安全保障にまで関わる重大な問題だからです。


年齢構成の変化が意味するもの

北海道の人口構成を見ると、さらに深刻な現実が浮かび上がります。15歳未満の割合は9.5%と初めて1割を下回り、一方で65歳以上は33.5%と過去最高を記録しました。つまり、高齢者が子どもの約3倍以上存在するという状況です。

この年齢構成が意味するのは、労働力人口の急速な減少です。農業、水産業、食品加工業、観光業、そして今後発展が期待される先端産業——これらすべてを支える「働き手」が圧倒的に不足しているのです。

北海道は日本の食料自給率を支える重要な生産地です。日本全体の食料自給率はカロリーベースで約38%ですが、北海道はその中心を担っています。もし北海道の農業・水産業が人材不足で衰退すれば、それは日本全体の食料安全保障の危機に直結します。

また、観光産業も重要です。インバウンド需要が回復する中で、北海道はその魅力で多くの外国人観光客を惹きつけています。観光は外貨獲得の柱であり、日本経済を支える重要な産業です。さらに、千歳市に立地するラピダスをはじめとする先端半導体産業は、日本の技術力と国際競争力を維持するために不可欠です。

これらすべての産業が、人材を必要としています。しかし、その人材がいないのです。


札幌市でさえ人口減少——もはや「日本人を増やす」だけでは限界

今回の調査で特に注目されたのは、札幌市が調査開始以来初めて人口減少に転じたことです。札幌市の人口は約196万人となり、前回から約1万人減少しました。これまで北海道内では唯一人口が増加し続けていた札幌市でさえ、減少に転じたのです。

また、旭川市は約30万5千人で約2万4千人減少し、減少数は全国で11番目。函館市は約23万人で約2万人減少し、全国で15番目となりました。地方都市の人口減少は、もはや避けられない現実です。

一方で、興味深いデータもあります。北海道内で人口が増加した市町村は9つありました。その中には、占冠村(13.8%増)、南幌町(7.7%増)、ニセコ町(4.9%増)が含まれます。そして、ラピダスの工場が立地する千歳市も0.1%増となりました。

これらの地域に共通しているのは、外国人住民の増加です。詳細なデータは公表されていませんが、特にニセコ町などでは外国人の移住者が増えており、それが人口増加の一因となっていることは明らかです。

もはや「日本人だけで人口を増やす」という発想には限界があります。出生率の改善には時間がかかり、即効性のある解決策は存在しません。であれば、外国人労働者や外国人住民との共生をどのように実現するかが、現実的な選択肢となるのです。


外国人との共生は地域課題を超えた国家戦略である

私は、外国人との共生社会の構築は、もはや地域の課題にとどまらず、国家戦略そのものであると考えています。その理由は以下の通りです。

1. 食料安全保障の維持
北海道の農業・水産業・食品加工業が人材不足で衰退すれば、日本全体の食料自給率が低下し、国家安全保障上のリスクとなります。外国人労働者の受け入れは、この危機を回避するための現実的な手段です。

2. 外貨獲得と経済成長
観光産業はインバウンド需要を支え、外貨を獲得する重要な産業です。外国人労働者が観光業を支えることで、日本経済全体の成長に貢献します。

3. 先端産業の競争力維持
半導体をはじめとする先端産業は、高度な技術力と人材が必要です。外国人エンジニアや研究者の受け入れは、日本の国際競争力を維持するために不可欠です。

4. 地域社会の活性化
占冠村やニセコ町のように、外国人住民の増加が地域の活力を生む事例もあります。多様性は地域に新しい価値をもたらします。


企業と在日外国人が直面する課題——在留資格申請の重要性

しかし、外国人労働者を受け入れるには、多くの法的手続きと準備が必要です。在留資格の取得、ビザの更新、家族の呼び寄せ、生活支援——これらすべてが、企業と外国人本人にとって大きな負担となることがあります。

特に在留資格の申請は複雑で、必要書類の準備、申請理由書の作成、入国管理局とのやり取りなど、専門的な知識が求められます。不備があれば申請が却下されることもあり、企業にとっても外国人本人にとっても大きなリスクです。

だからこそ、専門家のサポートが重要になります。私たちのような行政書士は、在留資格申請の手続きを代行し、企業と外国人の皆様が安心して働き、生活できるようにサポートします。


まとめ——今こそ「共に生きる未来」を真剣に考える時

北海道の人口減少は、日本全体が直面する課題の縮図です。食料生産、観光産業、先端産業——これらすべてを支える人材が不足している中で、外国人労働者や外国人住民との共生社会の構築は、もはや選択肢ではなく必然です。

在留資格制度の整備、企業の受け入れ体制の強化、地域社会の多文化共生——これらすべてが、これからの日本を支える基盤となります。人口減少という現実を前に、今こそ「共に生きる未来」を真剣に考え、行動する時ではないでしょうか。

私たちは、在日外国人の皆様と、外国人を雇用する企業の皆様を全力でサポートいたします。お困りのことがあれば、いつでもお気軽にご相談ください。

参考記事:
https://news.yahoo.co.jp/articles/22005cafdc552402b2350fe0169bf11d507a12a5