いま、外国人観光客や労働者の「交通トラブル」が増えています
「サイクリングの聖地」として人気の広島県尾道市。2024年、過去最多となる52万人以上の訪日外国人観光客が同市を訪れました。中でも自転車で「しまなみ海道」を走るサイクリストの人気は高く、尾道駅前のレンタサイクルには連日、外国人の長い行列ができるほどです。
その一方で問題となっているのが、外国人による交通トラブルの増加です。尾道市内では、2024年9月までに21件の自転車事故が発生。交差点での出会い頭の衝突、並走による接触事故など、日本の交通ルールに不慣れなことが原因となっています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/0d7131f70337dd739266d2495f5496082307b04d
このような事故は、観光客だけに起こるものではありません。
在日外国人労働者にも十分起こり得る問題であり、企業としての対応が求められます。
交通ルールを知らなかった…その結果は?
外国人が交通ルールを知らずに事故を起こした場合、
- 被害者とのトラブル
- 企業の社会的信用失墜
- 労災・通勤災害としての対応
- 損害賠償責任
など、様々なリスクが発生します。
特に就労ビザで外国人を受け入れている企業にとっては、通勤中の事故も「企業の管理下」で起こったものと見なされる可能性があるため、リスクマネジメントの一環として考えておく必要があります。
外国人労働者にとって、日本の交通ルールは難解
交通ルールは国によって大きく異なります。
- 日本は左側通行(多くの国は右側通行)
- 自転車は「軽車両」扱いで、原則車道を通行
- 並進走行は原則禁止
- 歩道は特例がない限り通行不可
など、日本特有のルールが多くあります。
これを正確に理解している外国人労働者は、実は多くありません。
特に自転車・バイク通勤をする方が多い製造業、運送業、飲食業、介護業などでは、事故のリスクが日常に潜んでいます。
企業の労務対応は「職場」だけでは不十分
企業が外国人を受け入れる際、「就労ビザの管理」や「労働条件の整備」ばかりに目が向きがちです。もちろん、それらは非常に重要ですが、実際に外国人が日本で安全・安心に生活・通勤できる環境づくりも、企業の責任の一部といえるでしょう。
特に入社直後は、言語の壁や文化的な違いから「わからないことがあっても聞けない」「失礼になるのではと遠慮してしまう」ことが多く、企業側の「伝えたつもり」が実は全く伝わっていないという事態も珍しくありません。
企業が今すぐできる交通安全対策
1. 多言語チラシや動画を使って、視覚的に伝える
警察や自治体が配布している多言語対応の交通ルールチラシを活用しましょう。特に英語・中国語・ベトナム語など、従業員の出身国に合わせた資料を配布し、イラストや図で視覚的に理解できる工夫が効果的です。
2. 社内オリエンテーションに「交通安全」の時間を設ける
採用時の研修に、10〜15分程度の交通ルール説明を追加するだけでも、事故の防止に大きな効果があります。動画やアニメーションを使うと、言葉の壁も超えやすくなります。
3. 自転車通勤許可制やルートの事前確認を行う
特に自転車で通勤する従業員には、通勤ルートの確認や、危険な交差点の共有など、企業側が積極的にサポートすることも安全につながります。
「交通ルール教育」も当事務所に相談できます
「行政書士はビザの専門家」というイメージを持たれることが多いですが、実際には外国人雇用全体のトータルサポートが可能です。
当事務所では、以下のような支援を行っています:
- 外国人従業員向け交通ルールマニュアルの作成
- 母国語での交通安全研修の企画
- 雇用契約書や社内規則への安全項目の組み込み
- ビザ申請時における生活支援体制の整備支援
採用から教育、定着までを一貫してサポートし、「外国人が安心して働ける企業づくり」を支援しています。
まとめ:企業のインバウンド対応は“職場外”にも広げよう
外国人労働者を雇用する企業にとって、いまや「交通ルールの教育」も避けては通れない課題となりつつあります。
事故が起きてからでは遅いのです。
企業の信頼を守り、外国人従業員が安全に、安心して働ける環境を整えるために、
ぜひ今一度、自社の教育体制と安全対策を見直してみてください。
ニセコビザ申請サポートセンターでは、交通安全を含む外国人雇用支援を幅広くご相談いただけます。
お気軽にご連絡ください。
