はじめに:外国人雇用をめぐる重大な事件が発生
2025年7月、愛知県岩倉市で外国人の不法就労を巡る事件が報道されました。
解体業を営むトルコ国籍の男性が、在留資格のない外国人2名を雇用していたとして逮捕されたのです。
容疑者は「ビザはあると思っていた」と述べていますが、雇用主側には在留資格を正しく確認する義務が課せられています。
この事件は、外国人雇用における“確認不足”がいかに大きなリスクを生むかを改めて示すものでした。
外国人雇用における企業の責任
日本では外国人を雇用する際、「不法就労助長罪」に十分注意を払う必要があります。
この罪に問われると、以下のような罰則が科される可能性があります。
- 3年以下の懲役
- 300万円以下の罰金
- 両方が科されるケースもあり得ます
この法律は「知らなかった」「本人が大丈夫と言っていた」では通用しません。
在留資格の確認を怠った場合、企業側に重大な責任が問われます。
「在留カードの提示」で安心してはいけない理由
不法就労を見抜くのは簡単ではありません。
現在、在留カードの偽造は非常に巧妙化しており、見た目だけでは判断できないケースが増えています。
また、在留資格には「就労が可能な範囲」も細かく定められており、正しい資格であっても職種によっては働けないケースもあります。
例:
「技術・人文知識・国際業務」→デスクワーク中心。
→現場作業や単純労働をさせると「資格外活動」となり違法です。
雇用前に確認すべきポイント4つ
外国人を雇用する際には、以下の4点を最低限確認するようにしましょう。
1. 在留カードの有効期限
→期限切れは即「不法滞在」です。
2. 就労可否の有無
→カード裏面の「就労制限の有無」を必ず確認。
3. 在留資格と業務内容の整合性
→在留資格の種類に合った業務であるかをチェック。
4. 出入国在留管理庁の確認システム利用
→ICチップの読み取りで偽造カードを見抜くことができます。
雇用後も油断禁物!定期的なモニタリングを
一度雇ったら安心…ではありません。
在留資格の更新漏れ、家族滞在者の資格外活動など、雇用後にも気をつけるべき点は多々あります。
定期的に以下を行いましょう。
- 有効期限の再確認
- 業務内容の変更があった場合の資格再確認
- 勤務態度や本人の申告に怪しい点がないかチェック
外国人雇用状況届出も忘れずに
外国人を雇った場合、厚生労働省へ「外国人雇用状況の届出」が義務付けられています。
届出を怠った場合も、行政指導や罰則の対象になる可能性がありますので注意が必要です。
企業が取るべき体制づくりとは?
外国人雇用に関するトラブルを防ぐには、以下のような社内体制を構築することが理想です。
- 外国人雇用に詳しい担当者の設置
- 行政書士等の外部専門家との連携
- 雇用前研修と入社時確認フローの明文化
- 定期的な社内勉強会の開催
このような仕組みづくりが、コンプライアンスの強化と、外国人スタッフとの信頼関係構築につながります。
行政書士としてできるサポート
行政書士は、在留資格の申請・更新の代行だけでなく、企業の外国人雇用体制の整備支援も行っています。
- 在留カード確認支援
- 就労資格証明書の取得サポート
- 雇用契約内容と資格の整合性チェック
- 各種届出の代行
外国人雇用を「リスク」ではなく「強み」に変えるためのご相談を、いつでも受け付けています。
まとめ:知らなかったでは済まされない今、できることを
日本国内の労働力不足の中で、外国人労働者の存在はますます重要になります。
しかし、それに伴い制度の複雑さやリスクも増してきているのが実情です。
企業として重要なのは、「知らなかった」「うちは大丈夫」という思い込みを排除し、正しい制度理解と適切な対応をとること。
今一度、自社の外国人雇用体制を見直してみませんか?
外国人雇用に関するサポートをご希望の方は、ニセコビザ申請サポートセンターまでお気軽にご相談ください。